2017(平成29)年3月4日に駅は廃止され信号場になった上厚内駅をNゲージ(1/150)化してみました。
廃止後駅舎は取り壊され昭和のたたずまいが残っていた木造駅舎は見られなくなりました。
浦幌町の博物館に駅舎の図面があり、複写させてもらったのをきっかけに模型化してみました。
模型化するにあたり、駅員の居た有人時代、屋根はレンガ色トタン板の国鉄時代としました。
今回は制作中に所々写真を撮りましたのでざっくりですが、制作過程をご紹介したいと思います。

駅舎はt0.25mmのプリンター用紙にイラストレーターで設計したものを印刷し、
良く切れるカッターで窓や扉の部分を切り抜いていきます。
下見板の木造建物の場合部分ごとに制作し塗装後に全体を組立られるので、
塗装などの部分的な大失敗は作り直しが出来るので気持ち的に少し楽です。(笑)
今回も可能な限り1/150正縮尺で設計・制作しました。

毎回駅舎を作る時に定番になった、窓の引き違いによる段差の表現です。
右側の窓と左側の窓を2枚の紙に分けて制作します。
設計図面としては1枚ですが、数枚プリンタで印刷しパーツを切り出しています。

先ほどの2枚を重ねると引き違い段差付の窓が出来上がり。
この後は設計時に着けた下見板の線にあわせて下見板を貼り付けていきます。

上厚内駅の場合だけではないですが、下見板は封筒の厚みと材質が適しているように思います。
いろいろな幅の線をイラストレーターで作って封筒に印刷し、カッターで切っていきます。
切った後はラッカーサーフェーサーを刷毛塗りし、乾燥後にサンドペーパーでこすって木目を入れます。
とはいいつつも木目がうまく出ないです。(笑)

下見板を少しずつ重ねて張り付け後に塗装した状態になります。
塗料は下見板に塗ったラッカーが溶けないよう、エナメル系のハンブロールを使っています。

写真無く突然進んでしまいますが、組み立て後に有人駅時代の象徴でもある信号テコを作りました。
ワイヤーの支柱には実物では古レールを使用していますので模型でもレールを使いました。
なるべくスケールに近づけるためにコード40のレールを使用しました。
テコは0.5mmのプラ角棒と紙の組合せでなんとか表現しています。
握り棒部分は0.2mm真鍮線です。

ある程度室内も制作いたいと考え、まどからチラリと見えるタブレット閉塞器を作りました。
やはり基本は紙で同じくイラストレーターで設計、プリンタで0.25mmの紙に印刷後切り抜き組み立てています。
塗装は切り口のみをマジックで塗り、他は印刷時の色のままです。

室内はまた別にイラストレーターで設計・印刷し、窓などは切り抜き切り口は塗装しますが、
壁などは印刷時の色のままです。
タブレット閉塞器を置くとこんな感じになります。

窓からチラリと見えるタブレット閉塞器。
改札口ラッチは真鍮線をはんだ付けして組み立てました。

裸電球に傘付きのランプは今回自作しました。
プラ製の電柱を薄く輪切りにし、ポンチを押し付けて傘状(すり鉢状)にしたあと塗装しました。
電線を通す穴を中心にピンバイスで開け、1005チップLEDに0.1mmのポリウレタン被膜線を
はんだ付けしたものを取り付ければ完成です。

先ほどの照明を各所に取り付けて照らし出された状態です。
信号テコの上とホーム側の各所。室内にも取り付けて照らし出されるタブレット閉塞器がいい感じです。

細かな部分の制作中写真はありませんが以下、完成後の雰囲気をお楽しみください。
駅正面から。

上厚内駅舎国鉄時代のホーム側

上厚内駅舎国鉄時代の駅正面夜景

上厚内駅舎国鉄時代のホーム側夜景